☆恵み心☆
「…中川徳蔵さんは、大阪・堺市で薬屋を営んでいました。健忘症をたすけられて、お屋敷へ参り、教祖にお目通りいたしました。教祖は、徳蔵さんが、店の前に立って物を乞う人に金銭を与えるのが少しでも惜しい気がせず、たとえ一文か二文でも、何かをやらずには気がすまず、与えていたのを見抜き通しで、『一文、二文と、困るものに恵んでやってくれる心は、天の月日はうれしうて、うれしうて、あつく御礼をいいますぞ』と仰せられました。(『お道の常識』 佐藤浩司著)
徳蔵さんでなくても、目の前に何らかの理由で困っている人がいたら、「何とかしてあげたい」と思うのが人情ですし、ましてやようぼくなら積極的にたすけたい、と強く思うはずです。「世界には、飢え・貧困・戦争・病気・差別など、さまざまな事情で苦しんでいる人が大勢いるという厳しい現実。そんな中、私たちはどうあるべきなのでしょうか。『世界は鏡』とお教えいただいています。善いことも悪いことも、世界に現れてくるすべてのことは、道の姿を映している鏡であり、信仰者に見せていただいていることなのだということです。」私たち信仰者が人をたすけるのに、国境や人種や民族などは全く関係ありません。また、理由もいらないと思います。世界の現実を我が事として受け止め、逡巡することなく「たすけずにはいられない」という真実の心をもって一人ひとりが行動すれば、きっと教祖も「…うれしうて、うれしうて、あつく御礼をいいますぞ」とお喜びくださるのではないでしょうか。